普通のレンズでマクロ撮影はできる?KIPONヘリコイドアダプター実写ガイド
Nikon AI-S 50mm F1.8と105mm F2.5をSony A7R Vに装着し、KIPON Nikon F-Sony E ヘリコイドアダプターによる近接撮影の変化を実写で検証します。

マクロ撮影を楽しむには、必ずマクロレンズが必要なのでしょうか。答えは「いいえ」です。
手元にクラシックなレンズがあり、近接撮影も試してみたいなら、精密なヘリコイド機構を備えたKIPONアダプターが、レンズの新しい使い方を広げます。
HELICOID BASICS
ヘリコイド式マクロ機構とは
KIPONのヘリコイドアダプターは、アダプター内部に精密な繰り出し機構を備えています。鏡筒を回転させてアダプター全体を伸ばすことで、レンズと撮像面の距離が変わり、通常時よりも近い距離へピントを合わせられるようになります。
花、アクセサリー、料理、小物などへ一歩近づけるのが大きな特徴です。動作は純機械式で、電池や電子接点を必要としません。

今回は協力フォトグラファーのSuper Maが、KIPON NIK-S/E MアダプターとNikon AI-S 50mm F1.8、AI-S 105mm F2.5をSony A7R Vに組み合わせ、操作感と近接撮影の変化を確認しました。


TEST SETUP
実写テストの機材


Sony A7R Vは約6100万画素のフルサイズセンサーを搭載し、ボディ内手ブレ補正、ピーキング、拡大表示を利用できます。高解像度でクラシックレンズの描写を確認しながら、マニュアルフォーカスを追い込みやすい構成です。
KIPON NIK-S/E MはNikon FマウントレンズをSony Eマウントボディへ装着する全金属製の機械式アダプターです。通常位置では無限遠撮影に対応し、ヘリコイドを繰り出すと近接側へ最大約12mm拡張できます。繰り出した状態では無限遠に合焦しないため、撮影距離に応じて位置を戻してください。



INSTALLATION
アダプターとレンズの装着
装着は、アダプターとボディの指標を合わせて回転させるだけです。確実にロックされたことを確認してからレンズを取り付けます。

続いてNikon AI-Sレンズをアダプターへ装着します。ヘリコイドを通常位置へ戻しておくと、取り付け後に基本のフォーカス状態を確認しやすくなります。


LENS TEST 01
Nikon AI-S 50mm F1.8 + Sony A7R V
AI-S 50mm F1.8は、小型・軽量で扱いやすいNikonのクラシックな標準レンズです。Sony A7R Vとの組み合わせでも全体をコンパクトに保てるため、テーブルフォトや日常の小物撮影へ気軽に持ち出せます。
50mmの自然な画角にヘリコイドの繰り出しを加えると、通常の最短撮影距離より被写体へ近づけます。F1.8では柔らかな背景のつながりを残し、F2.8へ絞ると細部の見え方がより明瞭になりました。



ピーキングと拡大表示を併用し、ヘリコイド側で撮影距離を微調整すると、マニュアルフォーカスでも細部へ合わせやすくなります。



LENS TEST 02
Nikon AI-S 105mm F2.5 + Sony A7R V
AI-S 105mm F2.5は、ポートレート撮影で長く親しまれてきたNikonの中望遠レンズです。Steve McCurryがNikon FM2と105mm F2.5で撮影した「Afghan Girl」によっても広く知られています。

中望遠は被写体との距離を保ちやすく、背景を整理しやすい焦点距離です。ヘリコイドを使うと近接側へ撮影範囲を広げながら、105mmらしい圧縮感と穏やかなボケを生かせます。
開放F2.5では柔らかな背景と明確なピント面が得られ、絞ると細部のコントラストが高まりました。正確な合焦には拡大表示が有効です。





BEFORE / AFTER
ヘリコイド繰り出し前後の比較
同じ被写体と撮影位置で、ヘリコイドを通常位置にした状態と最大まで繰り出した状態を比較しました。最短撮影距離が短くなり、同じレンズでも被写体を大きく写せることが分かります。


AI-S 105mm F2.5でも同じ比較を行いました。中望遠のワーキングディスタンスを生かしながら、通常位置より大きな像を得られます。


CONCLUSION
KIPONヘリコイドアダプターで広がる撮影
- 通常レンズの最短撮影距離を短縮し、近接撮影という新しい用途を加えられます。
- 長いフォーカスリングを持つマニュアルレンズと、細かく繰り出せる機械式ヘリコイドは相性のよい組み合わせです。
- 高画素ボディではピントやレンズ描写を細部まで確認でき、ピーキングと拡大表示が実用面を支えます。
- 全金属構造、適度な回転抵抗、通常位置での無限遠対応など、アダプターの機械精度が撮影体験を左右します。
最後に、50mm F1.8と105mm F2.5のボケの違いも比較してみました。標準レンズの自然な遠近感と、中望遠の圧縮された背景では、同じ近接撮影でも印象が変わります。


MORE OPTIONS
ほかのマウントでも使えるヘリコイドシリーズ
KIPONのヘリコイドシリーズには、Sony E、Nikon Z、Canon RF、Leica L、Fujifilm X、GFXなど、さまざまなマウント向けの製品があります。以下はGFX100SとPentax 645-GFX Mアダプターの使用例です。



